Simutrans的インターチェンジカタログ2018

※この記事は Simutrans Advent Calendar 2018 への参加記事です。

みなさんこんにちは、洩矢です。
突然ですが皆さん、
高速道路作ってますか?
ただでさえデッドロックや混雑と戦う高難易度アクションゲーであるSimutransですが、その中でもトラックやバスなどの道路交通は非常に扱いが難しく、自動車プレイはマゾい遊び方として知られています。

そんなM向けプレイに欠かせない設備、高速道路。大自然に破壊の限りを尽くし4車線道路を整備するもよし、都市高速を目を縫うように張り巡らせるも良し。鉄道と並び多彩な表情を見せてくれます。
マップ内においても、高速道路は非常に目立つ

そんな高速道路ですが、そんな中の悩みの種、インターチェンジとジャンクション。一般道と高速道路を効率的かつ安全に繋ぐ道路には欠かせない設備ですが、構造が複雑で作るとマンネリ化してしまうなんてこともあると思います。
この記事ではそんなマンネリ化を解消する手助けとなるべく、Wikipediaの「インターチェンジ」の項目にある型をすべて(26種+1)作成、そのうえで評価紹介してみようという試みです。

評価基準は、
①作りやすさ 
②使いやすさ
の2項目をそれぞれ5段階で評価していきます。どちらも私の主観によるものなのでご了承くださいませ。
また、作る際の参考に、必要とした広さも記載しておきます。
これは、EW:12,NS:4なので、12x4となる
勿論、狭く作ったものは大きくできますし、掲載されている物よりコンパクト化できるかもしれませんが、あくまで参考程度にどうぞ。

さて、本文に入る前に紹介をば
この記事に出てくるマップでは、ひめし氏製作のOTRP(One Way Two Lane Patch)が用いられています。
もちろん、インターチェンジを作るうえで必須ではありませんが、このOTRP自体がSimutransにおける自動車の追い越し機能の強化というところに端を発しており、高速道路プレイをする上で便利な機能が数多く実装されています。
また、この後紹介するインターチェンジのいくつかは、OTRP固有の機能を使った応用例も併せて紹介しております。既に導入済みの方はそちらも参考にどうぞ。

A、3方向型部門

こちらでは、3方向に分岐するインターチェンジ(平面交差すると三叉路)を紹介していきます。
これらは高速道路の中点と起点を結ぶジャンクションのほか、一般道と接続するインターチェンジにもよく用いられているため、使う機会は多いかと思います。

A-1、トランペット型


作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★★☆ 4
使用マス数:20x11

三叉路インターチェンジにおいて、Y字型と並び最もメジャーなタイプ。
現実にも数多く存在しており、各地の高速道路で見ることが出来る。
実際に使う上でもこれといったデメリットは特になく、スムースな通行が期待できる。
しかし、この画像で言うところのW→S方向のループによってある程度の土地が必要になってくるため、大都市圏内の建物が密集している中で使うのは難しいかもしれない。

A-2、直結Y型


作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★★★☆ 4
使用マス数:8x5

Y型インターチェンジの中の一種であり、現実では首都高速道路の小菅JCTや堀切JCT等で見ることが出来る。
特徴は何といってもそのコンパクトさで、省スペースながらもカーブが少なく、非常にスムーズな走行が期待できる。
しかし、そのコンパクトさゆえに立体構造の占める部分が多くなり、作るのはトランペット型や後述の準直結Y型に比べると難易度は上がる。また、E-S方面に走る本線上にアップダウンが出来るため、交通量が多い場合渋滞の原因になる可能性がある。

A-3、準直結Y型


作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★★★ 5
使用マス数:14x9

Y型の一種ではあるが、直結型と違いこちらは奥にランプが突き出ている。また、トランペット型の様に急なループなどもなく、ランプ内も速度低下の少ないまま通行できる。
直結型より必要な土地は大きいもののトランペット型並み、もしくはそれ以下の土地で建設できる。
作成も簡単なうえ、これといったデメリットも見受けられないため、ビギナー向けにも最適な形と言えよう。

A-4、Tボーン型



作りやすさ:★★★★☆ 4
使いやすさ:★★★★★ 5
使用マス数:16x9

構造的には準直結Y型とほぼ同じであり、亜種と言えよう。しかし、N-S方面本線をずらすことで間に余裕を作り、準直結Y型の立体交差部分を圧縮し省スペース化することに成功している。
圧縮した分密度が高まっているが、建設の難易度はそれほど高くない。
直結Y型と並び土地の少ない都市部での活躍が期待できそうだ。

A-5、平面Y型



作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:14x6

Y字型の中で最もシンプルな構造である。Tボーン型以上に省スペースであり、複雑な立体交差が一切排された構造の為、非常に簡単に作ることが出来る。
しかし、S→EとW→Sで平面交差が発生しており、多数のトラフィックを処理するにはあまり適さないであろう。

A-6、半クローバー型


作りやすさ:★★★★☆ 4 
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:8x5

4叉路部門において扱う「クローバー型」を三叉路仕様に落とし込んだもの。
作りやすさはそこそこであるものの、実質トランペット型のループを左右対称にしただけであり、またクローバー型の問題点である渋滞発生のしやすさもあるため、これを選ぶメリットはあまりないだろう。

A-7:3方向ラウンドアバウト型


作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:12x4

道路同士の交点の直上にラウンドアバウト(環状交差点)を設置したタイプ。
構造は単純で建設もさほど難しくないが、ラウンドアバウト内での方向制御を間違えると渋滞が発生しかねない。一方通行標識などの設置には要注意だ。
また、分岐する交通をラウンドアバウトが一気に引き受ける為、あまり多くのトラフィックはさばけない。

A-8、ラウンドアバウトT型


作りやすさ:★★★★☆ 4
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:12x10

先程の3方向ラウンドアバウト型からS→W、E→Sの分岐を分けたもの。
ラウンドアバウトに進入する交通量自体が減る為、キャパシティ自体は大きくなっているのだが、合流とはいえ平面交差が発生しているので「平面Y型の平面交差部をラウンドアバウトにした」程度のものである。

A-9、3/4バレー型


作りやすさ:★☆☆☆☆ 1
使いやすさ:★☆☆☆☆ 1
使用マス数:15x6

ラウンドアバウト型と同様、四叉路部門のバレーボール型を三叉路に落とし込んだものである。
複雑な立体交差が多数用いられており、アップダウンも激しい。そしてEW方向の本線も分岐・合流の為進路がたびたび変わっており、安定走行は期待できない。
走る車を見て愛でる分には良いかもしれないが、実用にはあまり向かないだろう。

B、4方向部門

こちらでは、4方向に分岐するジャンクション(平面交差すると十字路)を紹介していきます。
高速道路同士が交わるジャンクションや、高速道路と4車線の一般道との交点に用いられています。

B-1、ダイヤモンド型




作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★★☆ 4
使用マス数:12x4

最もオーソドックスな4叉路インターチェンジである。
構造は非常に単純で作りやすいが、ランプから右折する際に交差支障が発生するため、高速道路と下道を結ぶインターチェンジなどに用いるといいだろう。

B-2、完全ダイヤモンド型



作りやすさ:★★☆☆☆ 2
使いやすさ:★★☆☆☆ 2
使用マス数:

ダイヤモンド型の発展系。通常のダイヤモンド型で見られた交差支障は排されているが、その分両方向の本線を入れ替える為に曲がってしまう。
また、複雑な構造故建設の難易度も高く、他の様式と比べるとデメリットが大きい。

B-3、折り畳みダイヤモンド型(折り畳み部分的クローバー型)



作りやすさ:★★★★☆ 4
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:

こちらもダイヤモンド型の亜種。
その名の通りダイヤモンド型とクローバー型を組み合わせたような形状で、ランプを片側に寄せた姿はさながら三叉路インターチェンジのようである。
こちらもダイヤモンド型と同様の交差支障が発生するが、ランプを片側に寄せられる為、利用可能な土地に制限のあるインターチェンジなどには有用であろう。

B-4、三層ダイヤモンド型



作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:

これもダイヤモンド型の一種となっているが、その実構造はラウンドアバウト型とほぼ変わらない。
ダイヤモンド型特有の交差支障は解消されているが、そのほかにこれといった特徴はなく、なんとも中途半端な存在になってしまっている。

B-5、分岐ダイヤモンド型



作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:

ダイヤモンド型の中で最も異質な存在と言えるのがこの構造。
これまでも度々登場している本線の車線を入れ替えるという術を、平面交差でやってのけているのだ。
OTRPでの車線制御

この構造を再現するためには、OTRPの車線制御を用いるのが良いだろう。
勿論標識でもできないことはないが、分岐道路上でも方向を制御できるOTRPの方が、コンパクトに作成できる。

B-6、クローバー型


作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★★★★☆ 3
使用マス数:

交差支障が発生しない中ではかなり作りやすく、実用性も高いのがこの構造だ。
また、その見て目の美しさからsimutransにおいてもメジャーなインターチェンジの一つだろう。
しかしその反面、分岐より手前に合流する車線がある為、中心部分では渋滞が発生しやすい。
また、いわゆるクローバーの葉の部分は無限に回ることが出来るため、citycarが無限ループしてしまう恐れもある。

B-7、不完全クローバー型


作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★☆☆☆ 2
使用マス数:

クローバー型から一部のランプを取り除いたスタイル。
これはクローバー型というよりもむしろ、ダイヤモンド型のランプの一部をクローバー型に置き換え、トラフィックを分散したと考えるべきだろう。
狭い土地において、ある方向にのみ交通量が多い場合はは有効かもしれない。

B-8、対向ループ型


作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★★★☆ 4
使用マス数:

クローバー型の一部のランプを、ループさせずに直接つないだもの。
ループ部分では急カーブでどうしても減速してしまうため、一部ではあるがそれを解消した物となっている。
OTRPを使った応用例、最上段のポールがたった部分の車線が反転している

また、OTRPの車線反転機能を用い、直上にランプを建てることにより、よりコンパクトかつスムーズに作ることが出来る。

B-9、タービン型


作りやすさ:★★☆☆☆ 2
使いやすさ:★★★★★ 5
使用マス数:

4叉路ジャンクションの金字塔。
占有スペースは大きく、構造が複雑ではあるものの、渋滞しづらい。
右折時に直角カーブが発生しているものの、各ランプを無理なく捌けている。
対向ループ型と同様、車線反転を施したレーンが最上段にある

また、こちらも対向ループ型と同様OTRPを使った応用例を示しておく。

B-10、ロータリー型


作りやすさ:★★★★☆ 4
使いやすさ:★☆☆☆☆ 1
使用マス数:

大胆にもラウンドアバウトを配置したスタイル。全方向へは行けるものの、E-W方向の移動を全く無視した鬼畜仕様。
現実での箱崎ロータリーの様に、各方面へ散らばるポイントと考えれば使い途もなくはないだろうが、4叉路インターチェンジとして用いるには機能不足を感じてしまう。

B-11、ラウンドアバウト型


作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★★☆☆ 3
使用マス数:

車の動きとしては3層ダイヤモンド型と同じ動きをするため、Simutrans上での両社に差異はない。
ラウンドアバウト全体に言える特徴ではあるが、合流・分岐が頻繁に連続する為、あまり多数の車を処理するには向かない。

B-12、スタック型


作りやすさ:★☆☆☆☆ 1
使いやすさ:★★★★★ 5
使用マス数:

これまで対向ループ型やタービン型でたびたび登場している直上のランプを2つ設置し、双方向から使えるようにしたもの。
車の動きは非常にスムーズで、きついカーブも存在しないが、他に類を見ない4層構造という複雑さのため建設の難易度はかなり高い。

B-13、風車型


作りやすさ:★★★★☆ 4
使いやすさ:★★★★☆ 4
使用マス数:

基本的な構造はタービン型に通ずるものがあるが、それよりシンプルにまとまっている。
右折時の各カーブが急になる為非常に多い交通量には向かないだろうが、動線自体に無理が無いため、十分実用に耐えうる構造と言えよう。

B-14、分岐風車型


作りやすさ:★★★☆☆ 3
使いやすさ:★★☆☆☆ 2
使用マス数:

本線の車線を入れ替えることで右折に要するランプを少なくした構造だが、肝心の右折レーンでの勾配の都合上simutransでは余計に面積を取ってしまっている。

B-15、分割バレーボール型


作りやすさ:★☆☆☆☆ 1
使いやすさ:★★☆☆☆ 2
使用マス数:

非常に省スペースである。が、これと言って他に取り柄がない。
構造的にはダイヤモンド型に右折レーンを付けたものとみることが出来るかもしれないが、そのレーンを含む進路がこの型を余計に複雑化させている。

B-16、Uターン型


作りやすさ:★★★★★ 5
使いやすさ:★☆☆☆☆ 1
使用マス数:

交差部分は左折レーンのみ用意し、右折するにはいったん左折したのちUターンしてくるという構造である。
省スペースかつ建設も簡単であるが、右折したい車までもが左折レーンになだれ込んでくるため、渋滞の原因になりかねない。

B-17、一点都市型


作りやすさ:★☆☆☆☆ 1
使いやすさ:★☆☆☆☆ 1
使用マス数:

「美女木ジャンクション」と言えばわかりやすいだろう。
直進と左折レーンを設け、右折は信号で制御しようというものだ。
道の建設自体はさほど難しくはないが、交差点での信号制御に多少の手間を要する。
(この信号の話は2017年にTKU氏がAdventCalendarに寄稿された記事に詳しい)
勿論、信号で一定時間せき止められてしまうため、多数の交通を裁くのには向かない。
もっとも、こんな手間のかかる構造を採用せずとも、同じくらいのスペースでより効率よく捌けるタイプも存在する。

~~~

以上、かなりの数を紹介しましたが、ベースの形から発展したもの、また複数の要素を組み合わせたものが数多くあったのが分かると思います。それもそのはず、インターチェンジはその土地土地の条件に合わせて作られているからです。ここに示されているのはほんの一例に過ませんい。この記事を読んだ後高速道路建設に着手される諸兄にも、工夫を凝らした素晴らしい道が出来上がることを期待しています。

【おまけ】

・欲しいアドオン
-貨物航空機アドオン

鉄道等ほかの交通機関に比べ、航空機はアドオンが少ない現状があります。特に輸送機・貨物機は数えるほどしかありません。郵便以外での、それこそトラックやタンカーと変わらないような輸送手段として使ってあげるためにも、ぜひ貨物機レパートリーを増やしていただきたいところです。

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